店主の酒蔵巡り
平成21年12月
武蔵野酒造を訪れる
いつもお世話になっております「スキー正宗・入魂」
の蔵元・武蔵野酒造さんを訪れました。
新潟の名工に輝く藤井杜氏さんからは愛情たっぷりに
お酒のお話をしていただき、心からお酒を愛する
その想いが伝わって参りました。
武蔵野酒造さんとは、現在取り扱っている銘柄の中で
最も古いお付き合いです。歴史ある蔵内は、改築を重ね
そして効率化を図るため、近代設備が充実しています。
また杜氏が自ら酒道具を考案し作製したものを使用しています。
人手不足を補うことも含めこのバイタリティー溢れる制作力にも驚かされます。
武蔵野さんが使う水は牧村の湧水を使用しています。
ブナ林から湧き出る水は軟水で新潟清酒の味をひき立てます。
今年の酒米はやはり溶けにくいようですね。
麹造りの段階で調節されました。
麹造りこそが酒造りの中で一番重要視されている作業ですから、
自慢の麹を見せていただきました。
均等にはぜており、造りの丁寧さが伺えます。
今度は珍しい酵母菌を見せていただきました。
沢山の酵母菌が冷凍保存されています。
酵母菌は暖かくなってくると活発に活動しブドウ糖を食べて
アルコールと炭酸ガスを排出します。
何種類もの酵母菌はガラス容器の中に入れられ冷蔵庫の中で保管されています。
さて分析室では、二時間おきにお酒の状況を成分検査します。
まるで科学実験室のようですが、こういった地道なことを繰り返すことで
変わらない安定したお酒が造られるのですね。
続いて醪を見せていただきました。
板張りのフロアーにタンクの口があちこちで顔を出しています。
覗いてみるととても華やかな香り!
※気を付けなければいけないのが、タンクの中まで顔を入れて
息を吸いこむことは絶対にしてはいけません。
実は発酵中には二酸化炭素が排出されていますから
これを吸いこんでしまうと意識がなくなり大変危険です。
ですからこういった機会があった場合にはくれぐれもご注意くださいね!
軽くかぐくらいなら問題なしです。
この香りは蔵に行かなければかげませんからね。
醪は元気にぶくぶくと醗酵していました。
杜氏さんも今年は味がよく出ていていい仕上がりだと
おっしゃっていました。確かに今年のお酒はおいしいですよ〜(^^!
続いて貯蔵蔵を見せていただきました。
ここは本当に昔からの蔵内です。
昔火事がありその時の焼けた建物の傷跡が
改築後の建物の隙間からはっきりと見受けられます。
歴史を感じますね。
昔はこの場所で酒造りが行われていたそうで、
その名残があちこちで見受けられました。
蔵の中は真っ暗でひんやりとしていて、とても神秘的な場所です。
奥のほうには大吟醸しずく酒「華」が熟成されていました。
冷蔵貯蔵されているのかと思っておりましたが、
蔵内の温度で熟成させることにより、
お酒の可能性を引き出すのだそうです。
蔵の外に出ると趣のある木造の雁木があり
当時の面影がふつふつと蘇ってくるように感じてしまいます。
端麗な中にもうまみを持ち味としたスキー正宗を、
どうぞご愛顧くださいますようお願い申し上げます。
平成21年9月
岩の原葡萄園を訪れる
岩の原葡萄園にはずいぶん久しぶりに訪れました。
昔から地元にあり当たり前のような存在ですが、
今回訪れて坂田社長さんからご案内していただき、創業者「川上善兵衛」氏の
業績や現在の取り組みについていろいろとお話を聞くことができました。
まさに目からうろこで、わが故郷の偉人伝にふれ感動しました。
前任の社長さんは、お嬢様が水泳で有名な萩原さんでしたね。
紳士でとても感じのよい素晴らしい社長さんでした。
そして現社長である坂田さんも、素晴らしい経歴の持ち主です!
サントリーの商品開発を担当し、あのCCレモンや黒ウーロン茶を誕生させました。
バイタリティーに溢れ聡明な方で、「あっさりコースとこってりコースどちらにしますか?」
ときかれ、こってりでお願いしました(^^!本当にパワフルですよ!!!
はじめに川上善兵衛資料館を案内していただきました。明治という時代背景と
豪雪地といった風土を考慮し「川上善兵衛」は農民救済のための
新しい産業としてワイン造りに着目しました。
二十歳の時に山梨でブドウ栽培の初歩を学び、二十三歳の年に自宅の庭園を壊し
果実栽培を始めます。けた外れの探究心で、自分の田んぼや
土地を切り売りした資金で次々に新しいブドウ品種を購入し
どんどん広げていきます。人材支援にも熱心で、働き口がない人を無制限に雇ったそうです。
ヨーロッパ式の垣根仕立てにより、ブドウを栽培しているのですが、この地は豪雪地ですから
2メートル以上に生育させなければなりません。この高さですと、
これだけ多くの葡萄の手入れを行うことはとてつもなく大変なことですね。
ここにも「川上善兵衛」の多大な苦労があったのです。
生活は困窮する中それでもあきらめず、ひたすらこの地にあった葡萄品種の作出に
没頭しました。
なんと現在約一万品種を交配し、その中から22品種を世に送り出しました。
現在日本で栽培されている六割の葡萄は「川上善兵衛」が携わっているということも
納得しますね。やはりワイン葡萄の父ですね。
また、ワイン造りにも当時ヨーロッパでさえも行っていなかった
雪を利用した低温発酵を行っていました。さすがですね!!
さて今度は葡萄園のほうを案内していただきました。
私の車に乗り込み小高い山道を登ると頚城平野の雄大な
眺めが魅力的でした。
葡萄園の端のほうにバラの花が植えられており
かわいらしいバラが咲いていました。なぜこんなところにと思いますよね?
実はバラは比較的病気に弱い植物なので葡萄の木がかかる病気が発生した時
葡萄よりも早くバラに症状が出るため、早い段階で対策が立てられるのです。
なるほどでしょ!見た目もいいですし、昔がとげのバラは泥棒よけにもなったようですよ。
現在もブドウ作りは日々の研究のようです。一つの蔓に二房実らせる手法を行います。
雑草は刈り取ったほうがいいと思われがちですが、あえて競争力を高めるために
残すといった試験栽培も並行して行っています。
この見事な「マスカットベリーA」立派に実っていますよね!
社長さんが食べていたので、すっぱいのだろうな〜と思いながら
私もいただいてみたら甘くておいしいので驚きました。糖度が良く乗っていましたよ。
最後に貯蔵庫でもある1号蔵を見せていただきました。
何度訪れても趣きのある蔵内ですよね。
この場所でクラッシックコンサートも
行われるとのことでワインを味わいながら聞けたら最高だな〜。
スパークリングワインのオリ下げしているものが見えます。
葡萄園をバックに社長さんと私。
夏の強い日差しの中、作業は大変ですね。
岩の原ワインは、繊細で日本食に合う確かなワインでした。
平成21年8月
鮎正宗酒造を訪れる
鮎正宗酒造さんは、恵まれた自然環境に囲まれた妙高市猿橋という
地にあります。
当店とのお取引は25年位になります。 こうして今回訪れたのは、10年振り位かと思います。
蔵元の前は休日たまに通る事がありましたが、すっかり
ご無沙汰してしまいました。
酒蔵兼事務所兼ご自宅は趣き深い萱葺き屋根の見事な建物で、
外観からも美味しそうなお酒造りを想像させられます。
蔵の経営は醸造学専門の社長さんと営業担当の弟さんの兄弟で 行っております。
この日は、社長さんが出張されているということで、常務さんに
ご案内していただきました。
早速蔵内に入るとこの蔵元の一番の自慢である「湧水」が目に
飛び込んできました。
そうですこの蔵の中には滾々と湧き水が湧いているのであります。
この光景にはやはり驚かされますね。
その水量は毎時6トン!枯渇することを知らない良質な伏流水は、
この日も勢いよく湧き出ていました。
ヒシャクでお水をいただくと軟らかいですね! 顔を洗うとこれがまた冷たくて気持ちがいい〜。
「いい水は違うな〜」スイカが冷やされていて美味しそうでした。
冷蔵庫で冷やすよりも美味しく冷えるのだそうです。
さて蔵の中を拝見すると、今では珍しい片合掌という造りです。
今ではこれを作れる職人さんはいないようですね。 天井が高く開放感満点で、歴史が感じられますね。
蔵内は空調設備により安定した温度管理を行っています。
つづいて今回お初の麹室を見せていただきました。
総杉作りの麹室は隅々まで清掃が行き届いており清潔できれいな
麹の香りがかすかにしました。部屋の中には断熱線が張り巡ら
されており、造りの最盛期の時には室温40度に設定されるなかで
3日ごとに数ヶ月の間寝ずの麹造りが行われるのであります。
更に蔵内を進むと酒粕取り焼酎用の遠心分離蒸留器がありました。 搾った直後の新鮮な酒粕をこの装置に
セットし、減圧で丁寧に蒸留します。
鮎正宗の焼酎「輪月」はストレートやロックで味わうのに
いいですよ!
さていよいよ貯蔵庫の中を見せていただきました。
大中小の貯蔵タンクが所狭しに並べられています。
常務にご案内いただいていると、若き杜氏である「上石杜氏」が
来られました。
上石杜氏は蔵に入って16年なりますが、その間二代にわたり名杜氏の下で 経験を積みました。これは想像を絶する体験だったようです。 そういった経験が功を奏し現在杜氏として品評会にて賞を授与される 実力者であります。このように若い方が新潟の酒造りに貢献されていると いうことは非常にたのもしいことですね。
やりがいについては、「酒造りは酵母といった生き物を相手にその活動を 頭に思い描きながら行っていくといったことが一番難しいところで、 自分の目指したお酒が出来上がりそしてお客様に飲んでいただき美味しいと
言っていただいた時が酒造りをして一番の至福の瞬間」と話されて いました。今後も楽しみですね。
次回鮎正宗環境対策編につづく。
平成18・10月
杉玉作りに武蔵野酒造に行く
いつもお世話になっている、清酒「スキー正宗入魂・春日山」を造っている武蔵野酒造さんに行って
杉玉を作ってきました。(武蔵野酒造さんにはいつも感謝です!!入魂おすすめですよ!)
昨年うちの嫁さんが作ってきたのですが、店主の私が作った事がないのは情けないので頑張りました。
杉玉とは、酒蔵の軒先に吊るしてある丸い形をしたもので、これは実は杉の葉を丸く固めたものなのです。
ではこれは一体何の目的で吊るすのかということを簡単に説明させていただきます。
小さな酒蔵では、一年間の中で特に寒くなり始める11月頃から3月頃までお酒が仕込まれ造り出されます。
その期間中に1年かけて販売されるお酒を造り、貯蔵、瓶詰め、管理されながら需要にあわせて随時出荷していきます。
杉玉は酒造期に入って最初のお酒が搾られたときに、昨年作ってつるされていた杉玉と交換します。
つまり、今年も新酒が出来ましたよ!という蔵元のPRなのですね。皆様も酒蔵の前を通ったとき観てみてくださいね。
|
|
これがすぎだまのしんになるものです。
竹を曲げて作ったもので針金でしっかり
固定して作ってあり、この隙間に挿して
いきます。 |
武蔵野さんの庭にある杉の葉を使います。
大きなダンボールに山盛りいっぱい使う
というから驚きです。
杉のいい香りですな〜。 |
|
|
芯の枠に杉玉をぎゅうぎゅうに詰めていきます。
つめが甘いとぼそっと抜けてしまいます。
そうとう力がかかるので指先が痛いですな〜。 |
ちょっと一息。
温かいお茶が美味いですな〜!
職人さんになった気分です。 |
|
|
杉の葉をこれでもかとばかりぎゅうぎゅうに
つめたものです。
セサミストリートの人形かあ!! |
さあ、いよいよ刈り込みです。
思いっきり刈り込んでいくわけですが
枝は硬いし手が痛い・・。 |
|
|
小さく丸くしていかなければ・・。
あっちから見たりこっちから見たり。
難しいですな〜。
床屋さん気分であります。
「お客さんえりあしはどうされますか?」 |
開始から4時間、ようやく完成!
苦労の甲斐があり、
目の詰まった杉玉が出来ました。
お店に飾ってありますので
よろしければ見てやってください。 |
平成17・3月
地元のお客様と米百俵の栃倉酒造へ蔵見学に行く
朝9時に高田バスセンターに集合しいざ越後長岡
栃倉酒造へ高速バスに乗って向かいました。
3月というのに雪が降り寒い寒い!!
でも雰囲気は満点ですから私も気分がハイです。
初めて訪れた酒蔵に皆さんからの歓喜の声!!
楽しく行うことが出来ました。
|
雪が降りしきる中いいざ蔵の中へ向かいます。
皆さん白衣を着て緊張の瞬間!! |
|
|
ご子息の恒悟さんにご案内していただきました。
まずは精米所です。小さな酒蔵ながら自社精米
機を所有しているところもこの蔵の美味しい酒造
りに対する思い入れを感じます。
|
まずは仕込水を頂く。蔵に湧き出る井戸水は
クセがなく非常にマイルド。
水質のよってお酒の良さは左右されますから
これも基本ですね。
|
|
|
作業は終わっていますが、麹室に案内して頂き
ました。杉板で囲まれた部屋にびっくりですね。
40度以上の室温の中で作業が行われます。
まさに重労働ですね。 |
酒母造りをする部屋です。お酒の元を造りま
す。小さなタンクで元気のいい酵母を大量に
培養します。
実際に造っているところを見れたら良かった
のですが・・。
|
|
|
麹蓋が積み重ねられています。
吟醸酒用の米麹を造るときに使われます。
杉の板が吸湿を助ける役割を担うそうです。
近代化が進んでも昔のよさは上手に組み
込んでいますね。 |
「麹はどれくらいで出来上がるのか」とか、
「酒母は美味しいのか」など皆さん質問され
恒悟さんが分かり易くお話してくれます。
皆さん興味が尽きないご様子でした。 |
|
|
この部屋はとても趣があり
皆さん大喜びでした。
全て発酵が終わっていましたが、
皆さんの目が輝いていましたね。 |
今回特別に夏に発売予定の「朱夏の酒」を
ご賞味いただけました!!
まだまだ荒々しくとても力強い感じ。
4ヵ月後が楽しみです。
|
|
|
感激の瞬間!!
「この上ない至福です!!」 |
美味しそうに味わいますな〜。
おみごと!! |
|
社長さんとご自宅にて試飲させて
いただきました。
米百俵愛飲家の皆様
喜んでいただき、私も感無量です。
栃倉酒造さん本当にありがとうございました。 |
H・18・3・9
妙高酒造 越乃雪月花 純米大吟醸つるし搾り
今回で4年目、朝から蔵元にお邪魔して純米大吟醸酒を搾りに行ってきました。
蔵の中に入った瞬間、かぐわしい吟醸香が優雅に香り
今年のお酒の出来のよさに心躍る心境で搾りにむかいました。
蔵人の指導の下、県内外の酒屋さん数名と作業に取り掛かったのですが
この日はとても寒く、そして間違いなくきつい労働を経験し蔵人達の苦労を感じました。
やはり、大切に育てられたお酒は、間違いなく最高の美味しさでした!!
大切に管理し、一本ずつ大切に販売していきたいと感じました。
|
|
もろみが混ざったタンクの
蛇口部分に袋を一枚ずつ
セットして、もう一人が
コックをひねります。
|
コックの調整や袋に入れる量の
加減もなかなか難しく
慣れないととても神経を使います。 |
|
|
もろみが詰められた袋は
もう一人の人が紐で縛ります。
コンビネーションが重要なのです。
|
手が冷たくてかじかんで、簡単な
ことでもなかなか大変なのです。 |
|
|
これこそが、お酒の芸術の元
純米大吟醸酒のもろみが
ぎっしり詰まった袋であります。
ひかえおろう! |
この袋から滴り落ちるお酒こそ
華やかで神秘的な
貴重なお酒なのです。
たまらない芳香が放たれる!!
|
|
|
一升瓶が10本入る斗瓶に、
ゆっくりゆっくり充満されていきます。 |
このように若干荒にごりですが
この光景はとても美しい。
感動します。
|
|
|
こちらは、舟の中にもろみの入った
袋を重ねていき、重石を載せて
搾っていきます。
|
このように袋の中にもろみを
流してあげます。二杯ずつ
入れると丁度納まります。 |
|
|
これは単純な作業なのですが
受ける側も流す側も結構しんどく
腰が痛くなります。 |
もろみの入った袋は、船の中に、
一つ一つ丁寧に重ねていきます。
バランスが悪いと崩れてしまうので
慎重です。
この作業が一番きつかったですねー。
|
|
|
作業を終え、今度は杜氏さんから
いきなり試験させられてしまいました。
|
酒造専門用語やら方程式が飛び出し
何のこちゃっかさっぱり理解不能です。
杜氏さんてやはり大変な仕事なのですね〜
私も頑張らなくては!!
|
いつも、我々酒屋のために、色々な勉強をする機会を
つくって頂き有難うございます。
これからもお互い力を合わせて向上していきましょう!
今後とも宜しくお願いいたします。
17・11月・24日
「越乃雪月花」を販売している会員店の勉強会が行われました。
この勉強会は年に数回、越乃雪月花を取り扱っている
酒屋さんたちが集まって勉強会を行いお互い向上していく目的の元
行われています。
今回は、利き酒の技術を向上させるよう、あえて
様々な条件の下で意図的に劣化させたお酒を杜氏さんから
事前に造って頂き、それぞれ10種類ほど利いてみました。
題して清酒異臭検査!?
10種類並べられた異なるお酒を端から利いていきます。
異臭には発生してしまう過程があるそうです。
造りの過程で発生してしまう香り。
そして、貯蔵中に発生してしまう香り。
更に精製工程で発生してしまう香り。
造りの過程で発生してしまう香りの中には
@木香様臭(若い、青臭い、汗っぽい)
Aダイアセチル臭(いわゆるつわり香で、炊き上げ後の炊飯の香り。まだもろみが若い段階で
あげてしまうとでる。また非常にしめた麹で造り、時間を置くと出てくる事がある。
Bエステル臭(ナイロンのようなにおい)
C酸臭(酢酸のすっぱい香り、ふぞうやひ落ちによるもの)などがあります。
また、貯蔵により発生してしまうものの中には
@生老ね香(生酒を常温で20日以上放置するとじわじわと発生する)
A日光臭(日光に長時間当てるとてきめんです。生老香に似ています。)
B老香(1年半以上常温で貯蔵したものを利いてみましたが、
やはりかなり臭みが出ていました。)
等があります。
そして、精製工程で発生するものの中に
@炭臭(炭をたくさん使いすぎて濾過すると炭の香りが残る)
A濾紙臭(これも濾過の際、濾紙を定期的に変えないと雑菌が繁殖し異臭が発生します。)
B袋臭(これも、袋を洗う際につなぎ目部分などにうっかり粕が残っていた場合に発生します。)
初めに目隠しでざっとティスティングしてみたのですが
味覚とは、非常に難しいものなのであると改めて感じました。
今回感じた香りや味を、自分の例えで覚え、今後に、活用していきたいと
思いました。
杜氏さん、そして妙高酒蔵のスタッフの皆さんお手伝い頂き有難うございました。
※我々の勉強会の内容が、新潟日報に掲載されました
17・10月・21日
上越市高田のある武蔵野酒蔵へ杉玉作りに行く
「スキー正宗入魂・春日山」を造っている武蔵野酒造さんに
行って、杉玉を作ってきました。
杉玉とは、酒蔵の軒先に吊るしてある丸い形をした物で、
これは実は杉の葉を丸く固めた物なのです。
では、これはいったい何の目的で吊るすのか
と言うことをお話させていただきます。
小さな酒蔵では、一年間の中で特に寒い10月下旬頃から3月頃まで
お酒が仕込まれ造り出されます。
その期間中に1年かけて売るお酒を造り、
貯蔵、瓶詰め、管理しながら需要にあわせて随時出荷していきます。
杉玉は酒蔵期に入って最初のお酒が搾られたときに、
昨年作って吊るされていた杉玉と交換します。
つまり、今年も新酒が出来ましたよ、という蔵元のPRなのですね。
皆様も酒蔵の前を通ったとき観てみてくださいね。
|
|
あらかじめ、蔵の方から作って
いただいた、竹を曲げて
丸いボール状にしたものに
杉の葉をぎゅうぎゅうに
詰めていきます。 |
このように、セサミストリートの
ムックのようなボアボアの塊が
出来上がります。
ここまで2時間も経過。
もう手がつりそうです。 |
|
|
右上のぼさぼさになっている状態
のものを、まーるくカットしていきます。
家の奥さんは、美容師の資格を
持っているので、かなり
期待しています。
ガンバッテクレー。 |
だんだんと丸くなってきました。
さすがですなー、感心します。
でも髪の毛のようには
簡単にいかないようで
むつかしいものです。 |
|
|
ようやくまん丸にほぼ完成!!
ですが、まだまだ手直しを
しなければいけません。
しかしながらこの日は子供の
習い物があるため明日再チャレンジ!
やる気満々なので
出来上がりが楽しみです。 |
ついに出来上がりました。!!
お店の前を通ったらぜひ観て
やってください。
今年も美味しい新酒が出来ますよう
心から応援しています。
蔵人さん酒造りは大変ですが
頑張って下さい。
|
最後に武蔵野酒蔵様、いつもこのような
体験をさせていただき大変感謝しています。
今後も微力ながら御社様の「入魂」の販売に
努力していきたいと思いますので今後とも
宜しくお願いいたします。
|
17.10.17
加茂市 マスカガミ酒蔵に行く
|
マスカガミ酒蔵さんとのお取引は
今から17年ほど前になります。
この蔵元は、独創的で非常にユニークな
発想の社長さんが、色々なアイデアを
日本酒文化と混ぜあわせ、常に楽しみ深い
特異なお酒を手がけております。
今回そんな社長さんとお話しすることで
行き詰っている商売のヒントをいただきに
お邪魔しました。 |
|
|
社長さんの趣味である
古美術品を集めた蔵。
門からしてとても重厚な
風貌でした。 |
部屋の中央には、昔から酒蔵で
使っていたお酒を搾るための道具
「舟」が存在感満点にどっしりと
構えていました。
|
|
|
これは、かなり昔のものですが
革で出来ているそうです。
実に趣があります。
上に飾ってある彫刻は、地元の
変わったオブジェを作ってられる
方の彫り物です。
お気に入りだそうです。 |
家具や陶器の古美術品が
飾ってあり、一つ一つじっくり
みていくとそれぞれが作り出された
背景が想像され実に興味深く
観察してしまいます。 |
|
|
この陶器に、一厘飾ってあると
何とも和みます。
このようにあちこちの陶器に花が
飾ってありました。
社長さんのセンスのよさが伺えます
|
上の壁にディスプレイ用として
大昔の錠前が6個取り付けてある
額を見つけました。
一つずつ鍵が付いていました。
複雑に出来ているので
なかなか簡単には開けられ
ないそうです。
昔の人はすごいですね。
|
|
蔵元の前で社長さんと。
長時間に渡り、色々とお話をしていただき
本当に有難うございました。
今後の商売の励みになりました。
萬寿鏡さんの、じぶんどき秋限定酒
「秋の宵」は最高に美味しいですよ。
|
17.8.3
妙高酒造 初呑み切り
妙高酒造のお酒すべての利き酒です。
全部吐き出しても酔いそうなほどいっぱいあります。
熟成具合や酒質を利きました。
熟成が進んでいるもの熟度、香り共にバランスのとれたものなどいろいろでした。
今年一番のおすすめは越乃雪月花の純米です。
平成17年2月28日
越後美人の蔵元上越酒造さんへ、
今ではほとんど見ることが出来ない、舟絞りの現場を
見せていただきました。
|
|
出来上がったもろみは丹念に
かき混ぜられながらホースで
吸い上げられます。 |
吸い上げられたお酒は、
一旦この桶に移されます。 |
|
|
もろみが更に桶から
ホースを伝わってセットした袋の
中に一つずつ流し込みます。 |
袋を折り崩れないように一袋ずつ
交互に丁寧に重ねていきます。
きちっと並べることで圧力が
均等に加わり柔らかなお酒が
搾られます。 |
|
|
二階からの風景。
二人の気が合わないと
旨く並ばないのです |
今では、ほとんどみられなくなった
舟絞り風景です。
人の暖かなぬくもりが感じられる
お酒がゆっくりゆっくり
搾られていました。
|
|
きめの細かな柔らかく優しいお酒が
ぽたぽたと音を立て輝きを放ちながら
清酒として誕生する瞬間です。
|
H・17・3
妙高酒造 越乃雪月花 純米大吟醸つるし搾り
今回で3年目、朝から蔵元にお邪魔して純米大吟醸酒を搾りに行ってきました。
つるし絞りのお酒は、自然の重力で滴り落ちるお酒を集めたもの。
純米は特に密度が濃いので、搾るのにとても時間がかかります。
自分で搾っただけあって特に愛情が湧きました。
勿論、おあじはサイコー!!
|
|
タンクからもろみを一袋ずつ流し込み
ます。
入れすぎても、たらなすぎてもいけま
せんから、常に緊張の連続です。 |
「相方、重いけどがんばって〜
すぐしばりますから」
足場の悪い中での作業なので手が
プルプルしてきます。
|
|
|
搾られた袋は吊るす人に手渡します。
こぼさないようにすばやく丁寧に! |
どおです。大物でしょう!
持っているだけで、上品で華やかな
香りが広がります。
|
|
|
吊るし作業終了!
ステンレスタンクに掛けられたぼうには
所狭しと紐が括り付けられ、もろみが
仲良くきっちりと納まっています。 |
ぽたぽたとゆっくりゆっくり少しずつ
滴る様は非常に神秘的!!
一滴一滴がきらきらと輝き、
宝石のようです。 |
|
|
吊るし用のタンクに入りきらなっかた
もろみは、同じ袋の中に入れられ
舟の中で一袋ずつ重ねられて
ゆっくり搾られます。 |
この舟の上の方まで積み重ねられて
上から重石を載せて少しずつ搾ります。
|
|
|
袋の中に空気が入らないように口を
折り重ねていきます。
ただ折ってあるだけなのに飛び
出さないものなのですね。
プロの技は凄い!! |
搾りも中間を迎えました。
これくらいになると隠れていた風味が
現れてきて、これがまたうまいんです。
味が乗ってきているんですね
|
H12.3.7
上越教育大学学院生の皆さんと栃倉酒造さんへ
|
|
酒米を蒸す為の釜。年季の入りように感心。
この上にお米が入った釜を載せて蒸上げる
のです。 |
郷六郎次杜氏と栃倉酒造専務さんを
囲み蔵の中で。
素朴で優しい杜氏の人柄そして、
専務のまじめで丁寧な説明に皆感激
していました |
|
皆で楽しく美味しく米百俵を味わいました。
米百俵は、酒も蔵元も最高にすばらしい!! |
平成元年二月
長岡の中川酒造に酒造りの
勉強に行く。一週間の泊まり込み。
雪の降りしきる寒の時期
吟醸酒造り真っ只中
酒造りの勉強のため
酒蔵で一週間お世話になりました。
はじめてみる光景はど肝を抜く連続でした。
洗米、蒸米運び、麹米の返し
添え、中、留め、
蔵人の情熱、酒造りの素晴らしさを
肌で感じ、清酒の偉大さを痛感いたしました。
|
|
寒仕込の頃ですから、結構な
雪が降りました。
雪は埃を吸収し空気を浄化
してくれます。
美味しい日本酒造りには
欠かせません!
蔵元前に写っているチェロキーは
常務さんの愛車です。 |
連続精米機!
酒米の中心には良質な
でんぷん質が含まれているため、
たんぱく質、脂質等がある外側の部分
を削る必要があります
その作業を精米といいます。
精米歩合何パーセントとはこの
磨き具合のことを言います。
この機械でゆっくりと時間を
掛けてお酒にあったお米の
精米歩合に磨いていきます
ちなみに大吟醸などの
クラスになると
3日間連続で磨き続け、
35パーセントまで磨きあげます。
|
|
|
朝一番、酒米が蒸され釜の上から
蒸気が湧き上がります。
ライトアップされていてとても
雰囲気がありました。 |
真冬に短パン、半袖は釜屋さん
蒸気で暑いの何のって
すばやくスコップで小さな桶に移し
変えます。
大変な作業の一つです。 |
|
|
この部屋はスギ板に囲まれ、室温
40度以上に設定された麹室です。
ここで米麹を造ります。
暑いので裸になっての作業です。
この日は醸造試験所の指導官
金桶先生が指導に来られて
いました。手前右側
酒造りの中で米麹造りが
一番重要なのです。
約三日で米麹が出来上がります。
小さな酒蔵では、皆で作業を助け
ながら行っているためこの部屋にも
一日何回も(勿論夜中も2時間
おきに)手入れ作業を行うため
入ったり出たりするたび
服を脱いだり着たりと蔵人は
物凄い大変ですわ。
|
右が杜氏会で偉人と歌われた
佐藤源次さん。
酒造りで一番重要なポイント
蒸米に米麹種をまいている所です。
まさに緊張の瞬間です。
蒸米に付着した種が
お米の中に向かって根を生やし
中のでんぷん質を栄養にして
胞子を咲かせます。
この胞子が満開になるのを見計
らって外気温度を一気に下げて
ストップさせます。
咲きすぎてもさかな過ぎても
美味しいお酒になる米麹には
なりません。
まさに杜氏の長年の勘と経験
ずば抜けた感性が決めるのです。
|
|
|
現杜氏の吉岡さんです。
数々の偉業を成し遂げた
ベテラン杜氏のもとで
こつこつと勉強を重ね
年々実力をつけています。
人当たりが良く気の利く
優しい人柄です。
これからも安定した酒造り
頑張ってくださいね!!
|
大吟醸酒はもろみを袋に入れて
この小さなステンレス製の舟で
ゆっくり圧力を加えながら
搾っていきます。
蔵の中がこのデリシャスな香りで
華やかに広がります。
この見事なお酒を造り上げる
ためには、蔵人の並々ならぬ
努力があってからこそなのです。
私はこの貴重な経験を
通じ日本酒の素晴らしさを
再認識いたしました。 |
|